パソコンを選ぶ際に、最低限知っておくべきことがあります。
これらを知っておかないと
- 「動作が重すぎて使い物にならない」とか、
- 「使いたい用途で使えなかった」など、あとあと後悔することも…。
今回はパソコンを「性能で選ぶ」際に、重要な要素の一つ「CPU」について解説します。
「CPU」はパソコンの性能を決める「最重要パーツ」です。
購入後に交換が難しい部分にもなるので、是非パソコン選びで失敗しないようご確認いただければと思います^^(なるべく簡単に説明するよう努めておりますm(_ _)m)
CPUとは?
CPU(シーピーユー) 中央演算処理装置(Central Processing Unit)と呼ばれる装置です。
コンピュータの「頭脳」とも例えられますが、他の部品と連携して、パソコン内での様々な機能を制御したり、計算したりしています。
私達がパソコンでインターネットに繋いでネットサーフィンしたり、文字を打ったりできるのも、
CPUが私達のやりたいことを裏で処理して、実行するよう各部に伝達・処理してくれているからです。
ところで、私達が使っているパソコン内には、いろいろなソフトがインストールされていると思います。
(MicrosoftのWordやexcel、Google ChromeなどのWEBブラウザなど)
最近ではパソコンにAIが内蔵されていたりと、数年前のパソコンでは導入されていなかったものも、OSをアップデートすることで使えるようになっていきます。
それらのソフトを私達がストレスなく使うためには、パソコンの処理速度がそれなりに優秀でないと、動作が重くなったり、そもそも動かないということもあります。
用途によっては最新のCPUに近い、高性能なパソコンが必要な場合もあります。(動画編集やオンラインゲームなど)
しかし文章を作成したり、調べ物をしたりするくらいでしたら、最低限の性能があれば十分です。
(用途別のパソコンの選び方は、別の記事で解説します。)
CPUの種類と世代について
現在日本で流通している一般的なパソコンのCPUには、下記のものがあります。
- WindowsのCPU:intel(インテル)製CPU、Razen(ライゼン)製CPU
- macのCPU:Apple Silicon(M1、M2チップと呼ばれるmac専用CPU)
WindowsのCPU・その1:「Intel(インテル)」について
intel(インテル)は、アメリカの半導体メーカーで、長くWindowsのCPUを製造している会社です。
(「インテル、入ってる?」というCMで有名ですが、今もやってるのかな?)
インテル製CPUには、下記のものがあります。
- Core iシリーズ(Core i3 ,i5 ,i7 ,i9)
- Celeron(低価格・低スペックモデル)
- Pentium(celeronよりやや高性能だが、Core i3には劣る)
- Zeon(サーバーに使用されるCPU)
※Zeonはサーバー用、Celeron、Pentiumは最近のPCに導入されなくなっているので、ここでは解説を省略します。
Core iシリーズの簡単な性能の見分け方:「番数」と「世代」について
Core iシリーズは、i3(エントリーモデル)、i5(ミドルモデル)、i7(ハイエンドモデル)、i9(最上位モデル)の4つのカテゴリに分かれています。
基本的には、i3 < i5 < i7 < i9 の順番で性能差がありますが、それに加えて「世代」を考慮する必要があります。
本記事執筆時点で、Core iシリーズの最新世代は「第14世代」です。
※概ね毎年1世代づつ、新しい世代が発表されます。
Core iシリーズの番数よりも世代の方が重要です。
例えば、第14世代のCore i5は、第11世代のCore i7より性能が上です。
最新のCore i3と一世代前のCore i5がほぼ同じような性能だったりします。
(必ずそうとは言いきれませんが、イメージとして…。)
このように世代が一つ違うだけで、かなり性能差が異なります。
パソコンに詳しくない方は、番数だけで選びがちですが、世代も必ず確認するようにしましょう。
Core iシリーズの世代を見分ける方法
Core iシリーズの世代の見分け方は簡単です。
パソコンのスペックを見る際に、CPUでは下記のように書かれていると思います。
例1.「Core i5-10210U」
10210Uと記載されていたら、頭2桁の「10」で、第10世代ということがわかります。
例2.「Core i7-8850H」
8850Hと記載されていたら、頭1桁の「8」で、第8世代ということがわかります。
例3.「Core i5-1235U」
1235Uと記載されていたら、頭2桁の「12」で、第12世代ということがわかります。
例4.「Core i5-2400」
2400と記載されているので、第24世代?と勘違いされそうですが、これは第2世代になります。
例5.「Core i5-650」
650なので、第6世代?と思ってしまいますが、これは第1世代です。
第1世代のみ数字が3桁になり、第2世代以降は4桁以上となります。
メルカリやヤフオクで販売されているパソコンは、中古が大半なので世代が古いパソコンが販売されています。
世代が古いということはパソコン自体も古いので、実質使い物にならないものも多く販売されています。
世代を確認し、あまりに古いパソコンには手を出さないようにしましょう。
2024年現在では目安としては、どんなに古くても「第8世代以降」のPCを選びましょう。
第7世代以前のPCは、Windows11をインストールするための必要要件を満たしていません。
(一部の第7世代は、要件を満たしているものあるようです。)
要件を満たしていないPCに、無理やりWindows11をインストールしているだけですので、使用している内に何かしらの不具合が生じる可能性があります。
そもそもパソコンに詳しくない方は、新品のパソコンを購入した方が無難です。
(中古は感覚的に2、3台買って1台は、何かしらの不具合がある印象です。)
なお新品でも、最新世代より3つ前くらい(今ですと11世代)までは、普通に売られています。
安くなっている場合もありますので、参考までに。。。
(インテルCPU)型番最後のアルファベットの意味は?
Core i5-1235【U】や、Core i7-8850【H】など、
型番のおしりに「U」「H」「Y」などがついている場合があります。
これらも性能を示す指標の一つで、下記の意味になります。
- 「U」:低電力モデル。薄型ノートPCによく搭載されています。
- 「H」:高性能モデル。ゲーミングノートPCや高性能ノートPCに搭載されます。
- 「Y」:超低電力モデル。タブレットや小型ノートPCで使用されます。
性能比較は、「Y」<「U」<「H」の順になりますが、「H」はより多くの電力を消費します。
同じ条件ならバッテリー駆動時間は、「H」<「U」<「Y」になります。
これ以外にも種類はありますが、一般的なノートパソコンでは上記が多いです。
WindowsのCPU・その2:「Razen(ライゼン)」について
Razen(ライゼン)は、AMDというアメリカの会社が製造しているCPUで、世界トップのインテルに次ぐCPUシェア率を誇ります。
インテルに比べると知名度は低いですが、ここ数年で搭載されているパソコンをよく見かけるようになりました。もちろん性能面でインテルに引けを取らないCPUです。
Razenシリーズの簡単な性能の見分け方:「番数」と「世代」について
Razenシリーズの番数は、インテルと同じです。
Razen 3 < 5 < 7 < 9
数字が上がるほど高スペックになりますが、価格も上がる傾向です。
Razenシリーズの世代は、本記事執筆時点で、第7世代(7000番台)が最新になります。
Razenの番数の後に続く4桁の数字が型番になります。
例:Ryzen 7 5800H
上記の場合、5800なのでRazenの第5世代CPUという判断ができます。
下記の表はインテルとRazenのざっくりとした世代比較です。
※あくまで一つの目安としてお考えください。元々が異なる会社で製造されたCPUですので、単純に比較するのが難しいです。
Razen型番比較表
型番 | 備考 |
1000番台 | インテル第7世代相当 ※Windows11インストール要件満たしていない |
2000番台 | インテル第8世代と一部の第9世代に相当 |
3000番台 | インテル第9世代と一部の第10世代に相当 |
4000番台 | インテル第10世代に相当 |
5000番台 | インテル第11世代に相当 |
6000番台 | インテル第12世代に相当 |
7000番台 | インテル第13世代に相当 |
(Razen)型番最後のアルファベットの意味
インテルCPUにも表記されていた型番最後のアルファベット。
Razenでも性能を示す意味を持ちます。下記ざっくりと解説。
デスクトップPC用のCPUでは、下記の表示になります。
例:Ryzen 7 5800X
- 無印(標準的なデスクトップモデル)
- X/XT(高性能モデル)
- G(グラフィック内蔵モデル)
ノートパソコン用のCPUですと下記の表示です。
例:Ryzen 7 5800H
- U: 低消費電力(ウルトラブック向け)
- H/HS: 高性能(ゲーミングノート向け)
- HX: 最高性能(デスクトップ級の性能)
CPUの性能:コア数、スレッド数、クロック数とは?
パソコンの商品説明を見ると、下記のように書かれているかと思います。
例:Inter Core i5-1235U / 10コア12スレッド @1.30GHz(ターボブースト時・最大4.40GHz)
※記載の仕方は上記と異なる場合がありますが、大体似たような形で書かれています。
/より左の「Inter Core i5-1235U」については、上述の通り世代や型番の判断ができます。
/より右の「10コア12スレッド @1.30GHz(ターボブースト時・最大4.40GHz)」は、CPUの性能が書かれているとの認識でよいかと思います。
コア数とは?
コア数とは、CPUに搭載されている処理ユニットのことです。
コア数が多い方が同時に複数の処理ができたり、処理を分散させることで負荷を減らすことができます。
ただコアが多くても一つ一つのコア性能が低ければ、性能が高くてコア数が少ないCPUに性能面で劣ることはあります。
動画編集やオンラインゲームなど負荷の高い処理を行う場合は、裏側では様々な作業を同時進行させる必要があるため、コア数やスレッド数、クロック数は非常に重要な要素となります。
(もちろんメモリやGPUも重要です。)
スレッド数とは?
スレッドとは、CPUが同時に処理できるタスクの最小単位を指します。
例えば8コア8スレッドCPUの場合、同時に処理できるタスクは、8つまでということになります。
最近ではマルチスレッドにより、1コア2スレッド処理できるものもあります。
上記の例:10コア12スレッドでは、
「8コア8スレッド」+「2コア4スレッド」の構成になっていることが想像できます。
この場合だと、同時に12個のタスクを処理できるということになります。
クロック数とは?
クロック数は、コアがどれだけ速く処理を行えるかを示す指標です。
数字が大きいほど、コアは早く処理できるということになります。
商品詳細に下記のように記載されていた場合、
例:@1.30GHz(ターボブースト時・最大4.40GHz)
「通常時は1.30GHzで動くが、高負荷時は最大4.40GHzまで動きますよ」という意味になります。
ではどれくらいのクロック数が出ればいいのか。
目安ですがターボブースト時に、3.5GHz以上あれば高性能。4.0GHz以上なら、非常に高性能と判断してよいかと思います。
なおクロック数が高くなると、CPUにより多くの電力が必要となるため、
とくにノートパソコンでは通常時、省電力のため低いクロック数になっていることが伺えます。
これらクロック数、CPU世代やコア・スレッド数などの要素が絡んで、最終的なCPUのスペックとなります。
CPUの性能を決める要素・まとめ
ここまでおさらいすると、
CPUの性能は、世代と型番に加え、コア数、スレッド数、クロック数である程度見分けることができます。
例:Inter Core i5-1235U / 10コア12スレッド @1.30GHz(ターボブースト時・最大4.40GHz)
こちらのパソコンのCPUですと、下記の情報が読み取れます。
- インテル製CPU
- Core i5
- 1235 → 第12世代
- U → 低電力モデル
- 10コア12スレッド → 一度に12個のタスク処理ができる
- @1.30GHz → 通常時のクロック数。やや処理遅いが、省電力設計のため。
- 最大4.40GHz → 高負荷時は、処理速度がかなり早くなる。
これをクリリン(ナメック星編)に例えると、
- 地球人
- 職業:武闘家
- 年齢:26歳(らしい)
- 体型:低身長、小柄
- 技:かめはめ波、太陽拳、気円斬、残像拳、ダブル気砲、拡散弾、舞空術など、技たくさん
- 戦闘力(ナメック星到着直後):1,500 → 気を開放:3,000
みたいな感じです。
CPUの性能が高く、最新世代に近づくほど高額になりますので、どんな用途でパソコンを使いたいのかに応じて、CPUを選びましょう。